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2010四月馬鹿企画


実は私 /秘密の新製品
嘘から出た嘘 /日本の新しいアレ



 1:実は私

その1
露「やあギルベルト。実は僕乙女だったんだよ」
普「笑えねぇ。出直してこい」
露「つれないなぁ。この服ナターシャが見たててくれたんだけど、似あわない?」
普「ドレスは可愛い。後が怖いからそれは認める。でも、お前は全然可愛くねえ」
辺「……兄さんは、乙女になっても素敵……」
普「うわぁ、いたのかナターシャ! 最愛のお兄様が女になっても、いいのかよお前!」
辺「その時は私が男になればいいだけ。そう、私がお嫁にもらうから」
露「(滝汗)この際だから。責任とって、君が僕を嫁にしてくれないかな?」
普「なんの責任っ! それに、お前が女になったら、玉突き衝突で性別の変る国が出そうだからヤメロ」
  ↓
立「ナターシャさんが男性になるなら、俺は女にならないと駄目かなぁ」
波「トーリスが女になるなら、俺もなるし。お前と一緒がいいんよ」


その2
伊「チャオ!マシュー遊びに来たよ〜」
米「HAHAHA。よく来たな、歓迎するぞ」
伊「あれ、アルがどーしてここにいるの? ここ、マシューんちだよね?」
米「いいかよく聞け。実は俺がカナダなんだ。今まで、俺ひとりで二役演じてたのさ!」
伊「ああ(手ぽん)そーだったんだぁ。それで何となく覚えにくかったんだね」
米「そういうこと! カナダは幻なんだ」
伊「ルッツにも教えなきゃ!ねぇ聞いてよルッツ〜(脱兎」
米「……って、あれ? まさか信じた?」
加「……ねえ、信じてませんよねフェリシアーノさん。今日はエイプリルフールですよ〜」
米「彼も結構、人の話を聞かないよね」
加「フェリシアーノさん〜。信じないでください〜」


その3
ロマ「実は俺、ベッラ(美女)なんだ」
きく「……」
ロマ「って、信じねえよな普通。言っとくけど俺の趣味じゃねえぞ!
   フェリがやれって泣くから仕方なかったんだからな!」
きく「最近はエスニックジョークにも慣れましたから、お気になさらず」
ロマ「ジョークじゃねえ、エイプリルフールだ!」
きく「そうなんですか? なら、私よりあなたの背後に隠れている方に説明すべきでは?」
ロマ「え」
きく「木陰からアントーニョさんが、うるうるした目つきであなたを見つめてますよ」
ロマ「何っ! おい、お前が引っ掛かってどうするんだ馬鹿野郎! ……あれ? 誰もいねぇ」
きく「(くすくす笑いながら立ち去る)」
ロマ「やられた! よりによってあいつに騙されるなんて、なんかすっげ悔しいぞ畜生!」



 2:秘密の新製品

 会議の前準備としての話し合いは、折り合いのつかないまま月が新しく変わろうとしていた。
「前夜祭はもり上がるものさ」と明るく場持ちしていたフランシスが疲労で退席したその日、場の雰囲気は一挙に悪化した。
 正常な対話を取り戻そうと、ルートが声をからして誘導に努めるが。
 一度こじらせた感情は、容易には戻らない。いつもなら天然のボケ発言で場を和ませるフェリには、口をはさめない険悪な雰囲気が部屋に満ちてしまった。
(これは、一度中断して巻き直しを図った方がいいな)
 ため息をつきながらルートがそう考えた時、短いアラーム音が彼のすぐそばで響いた。
「はい、本田です。今会議中で……ええ、あとでまた……はい、すいません」
 ルートのすぐ近くで受け答えしているのは、菊の声だった。
(何だ? 会議中に携帯をオフにしないなんて、奴らしくない)
 注意しようとそちらを見ると、菊は左手を頬にあて、軽く首をかしげて喋っている。
 それは彼がよく「困りましたねぇ」と呟くときの仕草そのもので、見慣れた姿だったからルートは違和感を感じなかった。
 だが、話を終えた菊が降参するように両手を開いて見せたところで「おかしい」と気付く。
(今のは携帯、だと思ったが)
「おや? 君の携帯はどこにあるんだ?」
 陽気な声でアルフレッドが問い、やっと他のメンバーもルートと違和感を共有した。
「本当だ〜。今誰かと話してたよね? 菊ってば、いつの間にマジックを覚えたのさ」
 フェリシアーノが会話に飛びつく。今までの暗い雰囲気にうんざりしていた彼は、場の空気が変るならどんな話題でも大歓迎だった。
「私の携帯ですか? ここにありますよ」
 そう言いながら、菊が手を振って見せる。和服なら袖の中に滑り込ませることもできるだろうが、今日は普通のスーツ姿だ。それでも一応、フェリが菊のポケットを調べる。
「うん、上着には隠してないよ〜」
「ですから、ここにあるんです。よーく見てください」
 すでに会議はそっちのけで、全員が菊の左手に注目する。
「……指輪?」
 呟いたのはアーサー。言われてみると、中指に見慣れない幅広の指輪が光っている。
「当たりです。実はこれ、わが国で開発した新型の携帯なんです」
『何〜〜〜〜』
 そんな面白いものをいつの間に! と、騒然とする一同。
 菊は「指輪が受信機で……送信はこの腕時計で行います」などと、真顔で解説している。
「全く。君んちではどうして何でも小型化しちゃうんだい?」
 アルフレッドが鼻で笑うが、彼の目は菊の手首に釘づけのままだ。
「ええやん、これめっちゃ格好イイわ! 俺も使いたい〜」
 その手首をしっかり握って、「イイ」を連発しているのはトーニョ。
 フェリはさっそく自分の携帯からコールしてみようとして、この番号では普通の携帯にしかつながらないことに気付いた。
「あれ? じゃ、さっき菊が話していたのは誰?」
「吾輩である」
 人垣の背後から声をかけられ、一同が慌てて振り返る。そこにはむっつりと腕組みをして佇むバッシュの姿があった。
 見れば、彼の左手中指にも同じデザインの指輪がはまっている。
「指輪は私、腕時計はバッシュさんが作りました」
「いつの間にそんな共同開発を……」
「でも、ありそうだよね」
 すごいすごい〜。と、フェリが手を叩いてはしゃぐ。どうやって使うんだ、もっとよく見せろとせまる各国をバッシュは「まだ秘密である!」と一喝。
「そこまで小型化したら、むしろ使いにくそうだが……」
「小型だからいいんじゃないか! その技術、丸ごと俺が買い取ってもいいんだぞ」
「僕は製品化してからでいいよ。独占契約結んで欲しいな。ね、そうしよう」
「ね、じゃないだろうイヴァン! お前は引っ込んでろ」
 いつの間にか菊たち本人はそっちのけ。やれ、技術提携だの特許だの合弁事業だのいう言葉が、会議室を熱くとびかっている。
 さっきまでの煮詰まった雰囲気は、その熱気でどこかに押し出されてしまった。

「え〜っと。どうしてどなたも『エイプリルフール』って突っ込んでくれないんでしょう」
「やはり、タイミングが悪かったのではないか?」
「気分転換にはちょうどいいと思ったんですがねぇ」
「貴様、空気を読むのは得意と言っていたが。そうでもないようだな」
「はあ。遺憾に存じます」
 だらだら続いた延長会議のせいで、誰も今日が4月1日だと気づいていなかった。
 そして何より。
 真面目と堅物の組み合わせに説得力がありすぎて、誰も疑おうとさえしない。
 そのことに、思い至らないふたり。
 どこまでも「冗談下手」な菊とバッシュだった。

 終
 

 リハビリのため、四月馬鹿をテーマに小ネタを書いてみます。
 日本の技術は、過大評価されてる気がしてなりません。
 ええ、その期待はフィクションのレベルに突入してます。



 3:嘘から出た嘘

「ふむ。結局指輪と腕時計が一番よさそうであるな」
「彼らは私が『何でも小型化するのが好き』だと思ってますし。精密機械に強い貴方と一緒ならさらに、信憑性が増すと思うんです」
 菊が左手を頬にあてると、手首が口近くに来る。「見た目も自然なのが良いな」と呟きながら、バッシュも同じポーズをとってみる。
 彼の場合はいつもの仏頂面なので、親知らずが痛いのをこらえているように見えるのが難だが。
「後はタイミングさえ合えば、うまくいくんじゃないかと」
「うむ。試してみる値打ちはあるだろう」
 真面目な二人は真面目な顔で、「エイプリルフールに皆を騙すネタ」について話し合ってる。
 こんな話でさえ国家機密を扱うような雰囲気になってしまう彼らの共通の悩みは、「ジョーク下手」という他国からの評判だ。
 それは「人を楽しませる会話術ができてない」と言われているのも同然で、かなりくやしい。
 しかし、うまくいけば一発逆転! 諸国の前でジョークをキメれば、皆の見る目も変わるだろうと二人はひそかに盛り上がっていた。
 その時、控えめにドアをノックする音が響く。
「お兄様、お茶をお持ちしました」
 ティーセットを乗せたワゴンを押して入って来たのは、バッシュの妹のリートヒェンだった。
「おや。リートヘンさんご無沙汰してます」
 菊の挨拶に、笑顔で答えるリート。chen(=ヒェン)という発音が苦手な菊は、彼女をそう呼んでいる。
 昔、発音しずらそうにしている菊に「リートフェンなどという腑抜た発音をするくらいなら、その方がましだ」と(本人ではなく何故かバッシュが)教えて以来、ずっとこの呼び方が続いている。
「あの……おふたりの、とても楽しそうなお声が聞こえてしまいました。私もご一緒させてもらっては、いけませんか?」
 楽しそう。と言われたバッシュは、思わず自分の顔をなでる。いつも額に縦ジワを刻んで怒鳴っているイメージを抱いていた菊は、彼が赤面するところを初めて見た。
 しかしリートは、バッシュの表情の変化に動じた様子はない。見慣れているのだろう。(妹には地でふるまえてるんですね)と、菊はちょっと兄としてのバッシュを見直した。
 その場で午後のティータイムになり、リートはふたりが今回の会議について話すのを興味深げに聞いている。
 リートは世界でも十指に入る小国。激動の欧州を生き残った小国家は、みな似通った性質をもっている。外交上手で付け入るすきを与えず、賢くつつましく公正。個人として付き合うと、非常に聞き上手だ。
 そんな彼女が遠慮気味に問いを発したのは、茶菓子が大体空になった頃。
「あの。その指輪はお揃いですよね。とても珍しいので、気になるのです」
 二人の方は、言われるまで忘れていた。普段アクセサリーに全く縁のない男が、それもペアで指輪を着用してたら気になるのは当然なのだが。
 ジョークグッズとしか認識していなかったふたりは、そんな風に関心を持たれるとは思っていなかった。
「いえ、違うんですリートヘンさん。これは実は……」
 あらぬ疑いをかけられては大変と、菊は例の「新型携帯」の話を披露してしまう。
 兄と同じくハイテク事業に明るいリートは、目を輝かせて身を乗り出してきた。
「素敵です! ぜひ私も参加したいです」
 今にも手をとらんばかりのリートをさりげなく抑え、バッシュが重々しく告げる。
「言うまでもないが、他国にはまだ秘密である。今はまだ、詳しい事は語れないので我慢して欲しい」
 判りました。と引き下がりつつしょげてしまった妹に、茶のお代わりを頼むバッシュ。
 リートが退室すると。ふたりは声をひそめて密談を開始した。
「指輪は意外に目立つんですね」
「直前まで隠しておくのが得策であるな」
 適当な指輪を求めてシルバーショップに入った時、店員が妙な反応をした理由がようやくわかったふたりだった。
「ところで。後でリートに謝らねばならぬ」
「エイプリルフールですから、大丈夫じゃないんですか?」
「今はまだ三月である。フライングはまずいだろう」
「それもそうですね。悪い事をしてしまいました」
 どうでもいいことでひそかに悩む彼らは、自分が根本的に冗談に向いてないことに未だ、気付けていなかった。

 終



 トアル中学生さんの呟きから、ネタを頂戴しました。
 この話の結果については「2:秘密の新製品」をごらんください。

 指輪は、二人で形や大きさを吟味して購入しました。
「このデザインがよさそうですね」
「そうであるな。……店員、これと同じモノを吾輩にもたのむ」
「…………」

 店員さんは、ヴァレンティーノネタに登場したスウェーデン人店員みたいな反応だったと思ってください。
 リートは兄から事情を聴くまで、「いつの間にペアの指輪を買う仲になったのでしょう。気がつかなかったなんて、迂闊ですわ」とひとりで気をもんでました。
 指輪携帯が嘘、と気がついてしまったのが運のつき。「あんな嘘をついてまで隠すなんて……」と悩みも深く(笑
 バレてないと思う兄ちゃん、詰めが甘すぎです。
 悩んだあまりエリザ姐さんに相談してたら、ものすごい騒ぎになりそうです。楽しいです。
(想像中)
 ……バッシュがあまりにも気の毒なので、このオチは封印!
 菊さんは「その手のネタ」に耐性があるから、彼ひとりでダメージ被りそうですし。可哀そうすぎる。



 4:日本の新しいアレ
☆ 時事ネタです。苦手な方にお勧めできません。



米「きみんち、また新しい政党ができたんだって?」
日「ええ。たしか『立ち枯れ日本』とかなんとか」
米「あからさまに駄目っぽいけど、大丈夫なの君」
日「政権が変った時には、これで二大政党が競い合う時代になると期待したんですがね」
米「古い方は、崩壊寸前だったってわけだ! 笑っちゃうね!」
日「相変わらず、はっきり言いすぎですよ貴方」
米「そういえば。二大政党の代わりに二頭首体制に変更したのかい?」
日「なんのことでしょう」
米「ウチの新聞に載ってたぞ! 首相に続いて大統領を立てたって」
日「……そんな話は聞いてませんが」
米「ほら。チワワみたいな人が首相で、ブルドックみたいな人が大統領なんだろ?
   あっちの方が、なにかとエラそうだし」
日「!! わ〜〜〜〜〜〜っ! 滅多な事を言わないでくださいっ!」
米「え。本気で顔が蒼いよ君。日付を見てくれよ。4月1日。
  エイプリルフールデーのジョークじゃないか」
日「(頭を抱えて沈みこむ)」
米「この程度のジョークに適応できないようじゃ、まだまだだね」
日「心臓に毛が生えてる上に神経がワイヤーロープでできてる人と一緒にしないでください」
米「アーサー。菊が君の悪口を言ってるぞ!」
日「その無神経さが、たまにうらやましくなりますよ……」

私にとってのアメリカ人は、こんな感じです。



ぽこぽこと書き散らしながら、「そうか。最初からこうしておけばよかったんだ」と気付きました。
サイト模様替えとか、無謀なこと考えたのが欲のかき過ぎ。
エイプリルフール小ネタで、普通に更新できたじゃん自分。
あああ。何で思いつかなかったんだろう。




 Write:2010/05/06

  とっぷてきすとぺーじオールキャラ